【重要】法令改正に伴う3つのポイント(2026年) | エックス線作業主任者 講習会・通信講座

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【重要】法令改正に伴う3つのポイント(2026年)

安全装置

エックス線は、人体に有害な影響を及ぼすおそれがある放射線です。

そのため、エックス線を安全に取り扱うために、さまざまな法令により管理・規制されています。

代表的な関係法令の一つが「電離放射線障害防止規則」で、一般的には「電離則(でんりそく)」と呼ばれています。

2025年10月29日に、この「電離則」が改正されましたので、その内容をご紹介します。

今回の改正ポイントは、大きく次の3つです。

【1】特別教育の実施対象業務の拡大
(施行日:2026年4月1日)

【2】エックス線作業主任者の職務拡大
(施行日:2026年4月1日・一部2027年10月1日)

【3】自動警報装置の設置義務拡大・安全装置設置の義務化
(施行日:2027年10月1日)

今回の改正内容は、エックス線作業主任者試験の出題範囲にも関係するため、重要なポイントです。

法令改正後は、施行された内容に基づいて試験問題が出題されます。

そのため、今後の試験対策としても必ず押さえておきたい内容です。

なお、改正項目によって施行日が異なるものがあります。

試験問題については、原則として各改正内容の施行後に反映されるため、施行時期にも注意しましょう。

【1】特別教育の実施対象業務の拡大(施行日:2026年4月1日)

エックス線装置に関する特別教育は、これまでは「透過写真撮影業務」に従事する人のみが対象でした。
「透過写真撮影業務」とは、エックス線を物体内部に透過させて撮影し、外観からは確認できない傷や異常の有無を確認する作業をいいます。

しかし、今回の法令改正により、特別教育の対象範囲が拡大され、今後は「エックス線装置を取り扱う業務」全体が対象となりました。
具体例として、エックス線装置の保守点検業務や分析業務なども新たに対象となります。

ただし、装置内部のみが管理区域となっており、エックス線照射中に労働者が装置内部へ立ち入ることができない構造の装置(いわゆる「ボックス型装置」)を使用する業務については、特別教育の対象外です。

なお、今回の改正により新たに特別教育の対象となった業務に従事する人でも、すでに改正前の電離則による特別教育を受けている場合があります。
また、他の法令に基づく同様の教育を受けている場合もあります。
この場合は、内容が重複する科目について、受講を省略できます。

また、本改正に伴い、特別教育の科目についても次のとおり見直されています。

①透過写真の撮影の作業の方法
②エックス線装置の構造および取扱いの方法
③電離放射線の生体に与える影響
④関係法令
エックス線装置を取り扱う業務に係る作業の方法に関する知識
エックス線装置の構造および取扱いの方法に関する知識
③電離放射線の生体に与える影響
④関係法令


なお、エックス線作業主任者免許を有する者については、エックス線装置の取扱いに関する十分な知識を有していると認められるため、上記の特別教育を実施する必要はありません。

【2】エックス線作業主任者の職務拡大(施行日:2026年4月1日・一部2027年10月1日)

これまでは、エックス線作業主任者の職務として、標識の掲示、安全措置の実施、放射線測定器の装着確認などが定められていました。

今回の法令改正により、従来の職務に加えて、新たに5つの職務が追加されます。

旧(改正前)と新(改正後)の職務を確認しましょう。

【旧(改正前)】

①管理区域または立入禁止区域の標識が規定に適合して設けられるように措置すること。
②照射筒またはしぼり、もしくはろ過板が適切に使用されるように措置すること。
③間接撮影時の措置もしくは透視時の措置、または特定エックス線装置を放射線装置室以外の場所で使用するときは、放射線を労働者が立ち入らない方向に照射し、または遮へいする措置を講ずること。
④放射線業務従事者の受ける線量ができるだけ少なくなるように照射条件を調整すること。
⑤自動警報装置の措置がその規定に適合して講じられているかどうかについて点検すること。
⑥照射開始前および照射中に、立入禁止区域に労働者が立ち入っていないことを確認すること。
⑦被ばく線量測定のための放射線測定器が規定に適合して装着されているかどうかについて点検すること。

【新(改正後)】

①管理区域または立入禁止区域の標識が規定に適合して設けられるように措置すること。
②照射筒またはしぼり、もしくはろ過板が適切に使用されるように措置すること。
③間接撮影時の措置もしくは透視時の措置、または特定エックス線装置を放射線装置室以外の場所で使用するときは、放射線を労働者が立ち入らない方向に照射し、または遮蔽する措置を講ずること。
④放射線業務従事者の受ける線量ができるだけ少なくなるように照射条件を調整すること。
⑤エックス線装置への電源供給の周知がその規定に適合して講じられているかどうかについて点検すること。
エックス線装置への電源供給の周知に異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
安全装置を点検すること。
安全装置に異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
安全装置を取り外しまたは無効にした場合に、代替措置が講じられていることを確認すること。
⑩照射開始前および照射中に、立入禁止区域に労働者が立ち入っていないことを確認すること。
⑪被ばく線量測定のための放射線測定器が規定に適合して装着されているかどうかについて点検すること。
上記事項のほか、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように作業の方法を決定し、放射線業務従事者を指揮すること。
⑥・⑫は2026年4月1日から施行されますが、⑦・⑧・⑨は2027年10月1日に施行されます。


今回追加された職務のうち、一部は施行時期が異なるため注意が必要です。

2026年4月1日施行の職務

エックス線装置への電源供給の周知に異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
→ 自動警報装置などの異常を確認した場合には、事業者に装置の使用停止など必要な対応を取らせます。

上記事項のほか、労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように作業の方法を決定し、放射線業務従事者を指揮すること。
→ 放射線業務従事者の被ばくを可能な限り低減できるよう作業方法を決定し、作業者への指示・管理を行います。

2027年10月1日施行の職務

安全装置を点検すること。
→ エックス線装置の使用時には、安全装置(フールプルーフ)が正常に作動していることを確認します。

安全装置に異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
→ 安全装置に異常が発生した場合には、事業者に装置の使用停止など必要な対応を取らせます。

安全装置を取り外しまたは無効にした場合に、代替措置が講じられていることを確認すること。
→ 点検などのため一時的に安全装置を停止した場合には、代替となる安全対策が適切に実施されていることを確認します。

【3】自動警報装置の設置義務拡大・安全装置設置の義務化(施行日:2027年10月1日)

(1)自動警報装置の設置義務拡大

放射線装置室内で使用する工業用の特定エックス線装置について、自動警報装置の設置義務が拡大されます。

対象となるのは、主に波高値による定格管電圧が10kV以上の装置です。
従来は、放射線装置室内で使用する管電圧150kVを超える装置のみ、自動警報装置の設置が義務付けられていました。

しかし、改正後は対象範囲が広がり、放射線装置室内で使用する管電圧10kV以上の工業用などのエックス線装置(※)について、自動警報装置の設置が必要となります。
一方で、医療用の装置や、ポータブル型・ボックス型などの装置を放射線装置室外で使用する場合は、対象外です。

また、自動警報装置を含む周知措置については、関係者が確実に認識できる方法で行わなければなりません。

(※)ほかに、「エックス線またはエックス線装置の研究または教育のため使用の都度組み立てる工業用等のエックス線装置であって波高値による定格管電圧が150kVを超えるエックス線装置」も、自動警報装置の設置が必要となります。

(2)安全装置設置の義務化

放射線装置室内で使用する工業用などの特定エックス線装置について、安全装置の設置が新たに義務化されます。

対象となるのは、主に波高値による定格管電圧が10kV以上の装置です。

ここでいう安全装置とは、インターロック、安全ロックキー、リミットスイッチと連動した照射停止装置など、誤操作や予期しない被ばくを防ぐための「フールプルーフ機能」を持つ装置を指します。
これらの安全装置により、作業者が意図せず放射線を受けることを防止します。
なお、医療用のエックス線装置は対象外です。

また、事業者が点検や保守などのために安全装置を一時的に無効化したり取り外したりする場合には、その代わりとなる安全対策(代替措置)を講じなければなりません。

改修が著しく困難な装置に関する経過措置

これらの改正内容は、既に使用している工業用などの特定エックス線装置も対象となります。
ただし、次のような理由により装置の改修が難しい場合は、自動警報装置や安全装置を設置する代わりに、別の安全対策(代替措置)を講じる必要があります。

①既にメーカーが現存しない装置
②改修に必要な図面がなかったり部材が手に入らない装置
③改修により装置の機能や安全性に問題が生じる装置

法令改正に伴う注意点は?

公表問題(過去問)を学習する際は、その内容が「法令改正前のものか」「改正後のものか」を確認することが大切です。
改正内容を把握しないまま学習すると、古い情報のまま覚えてしまう可能性があるため注意が必要です。

公表問題はインターネットで検索して確認できますが、あわせて最新の法令情報や改正内容も確認しながら学習を進めることをおすすめします。
最後に、関係する法令のリンクを掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

参考①】電離放射線障害防止対策について
参考②】電離放射線障害防止規則等の改正について 安全対策の強化と特別教育の拡充
参考③】特別教育の対象業務を拡大します 電離放射線障害防止規則等の改正
参考④】作業主任者の職務が追加されます 電離放射線障害防止規則等の改正


講師のご紹介

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はじめまして。講師の奥田真史です。エックス線作業主任者の講習会・通信講座なら私にお任せ下さい!
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